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ささがしの牛房(ごぼう)のそばで皆殺し


今年は暦の関係で土用の丑の日が7月に1回と8月に入ってからもう1回、都合2回あったということです。

・・・そういえばウナギの蒲焼を二度食べたような。(笑!


わが家でそうであったように、現代人は土用の丑の日と言えばウナギを好んで食べるようですが、ウナギを蒲焼にして食べるようになったのは比較的新しいということご存知でしたでしょうか。

ウナギはもちろん日本にも固有種が古くから生息していて、食用にされて来たのは間違いないことですが、どのようにして食べていたかというと、江戸時代の初めころまでは、開いて蒲焼などにせず、ぶつ切りにしてそのまま煮るか焼くかして食べていたということですから、ずいぶんワイルドではありませんか。(笑!

そもそも江戸人はウナギをあまり食しなかった。では何を食べて暑い夏を乗り切ったのだろうかというと、どじょうを好んで食べたというのです。


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当時の江戸人が好んで食べた美味しい食べ物を川柳とともに紹介しています。その「暑気払いの切り札」の章に取り上げられていたのは、「どじょう」。

そのどじょうはどのように調理されて食べられたか?


ささがしの牛房(ごぼう)のそばで皆殺し

念仏も四五へん入れるどじやう汁


笹掻(ささが)きにしたごぼうと一緒に煮られて、あえない最期をとげるどじょうをうまく表現していますね。江戸人はどじょう鍋が大好物であったそうです。

私も東京観光で浅草の有名な老舗のどじょう料理屋で、このどじょう鍋を食べた経験があります。

先にあげた川柳では「どじょう」を「どじやう」と表記してありますが、私が訪れた老舗のどじょう料理屋の暖簾には「どぜう」と書いてあったと記憶しています。

「どじやう」と「どぜう」、何れが正しい表記か?

正解は両方とも「 ○ 」。(笑!


杉浦さんがどじょうの表記の仕方の違いについて、説明してくれています。

「どじやう」はどじょうが生きているときにこう書き、「どぜう」は食い物になったときの呼称であると。

すなわち、「どじやう汁」は生きたのをそのまま鍋に入れるからあくまで「どじやう」で、「どぜう鍋」はあらかじめ骨までやわらかく下茹でした姿煮や、裂いて頭を落とし骨や内臓をきれいに取り除いた開き身を用いるから、すでに「どじやう」ではなく食材としての「どぜう」なんだそうです。

なるほど、そういうわけだったのですね。江戸人は妙なところにこだわりを持ったんだな?これも江戸人が命の次に大切にしたという粋というものなのでしょう。

そういえばかの老舗のどじょう料理屋では、柳川鍋の注文を取るとき、「骨付き」「骨抜き」を問われました。「骨付き」にしろ「骨抜き」にしろ下処理されているから、「どぜう」ということになりますね。暖簾に書かれていた文字には、そういう深い意味があったのでした。


土用の丑の日はすでに過ぎましたが、今宵「どじやう汁」で江戸人の粋をいっしょに味わってみるのもまた乙というもでしょう。






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