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時代小説が好きPART164「うちの旦那が甘ちゃんで」


「御用だ、御用だっ!神妙にしろいっ!」

時代劇の捕り物のシーンで必ず耳にする取り方の掛け声ですが、このような掛け声を発するのはあくまで町方の御用聞きの小物(身分は町人)で、町方の同心は決して言わなかったってこと、ご存知でしたか?

本屋で偶然手にした本、「うちの旦那が甘ちゃんで」の冒頭に書いてありました。




本書の主人公は、江戸南町奉行所の風列廻り同心・工藤月也と、その妻・沙耶。

南北の奉行所にあわせて250人あまり配されていたという同心の中でも、風列廻り同心は、凶悪な事件を担当する同心でいわば花形。4人しかいなかったと書いてあります。

その花形であるはずの工藤月也は、題名にあるように実に困った「甘ちゃん」。のほほんとした性格から、盗人を取り逃がすことが多く、付き人である小者たちは愛想を尽かして次々に辞めてしまう。

小者を持たぬ同心は、猟犬を持たないで狩りをしようという猟師のようなもの。「ワン、ワン!」とほえたててキツネを追い込んで、ご主人様の出番を待つ猟犬を想像してもらえば、同心と小者の大切な関係がわかってもらえるでしょう。

冒頭にあげた「御用だ、御用だっ!」は、いわば「ワン、ワン!」に当たるということでしょうね。(笑!


ブックカバーに画かれたイラストを見てみると、月也とおぼしき同心が挟み箱を担いで歩いている。その後をアジサイの植木鉢を抱えて歩いているのが沙耶なのでしょう。


この挟み箱こそ小者が担ぐべきもので、これを担いで主人である同心のあとを追うのが、町方同心と小者の本来の姿。この箱の中には捕り物に使用するもろもろの道具(例えば捕り物専用の大きい十手や捕り縄など)が入っていて、これがなければ同心は仕事にならなかったというのは、ちょっと驚きです。テレビの時代劇には、小者が挟み箱を担いでいるなんて、決して出て来ませんものね。

さて、その己の分身ともいえる大切な小者に逃げられてしまった風列廻り同心・工藤月也は、この窮地をどうしのぐというのでしょう。


「うちの旦那が甘ちゃんで」・・・、亭主の前では決してそんな素振りも見せないしっかりものの女房・沙耶は、甘ちゃんの月也をどう支えるというのでしょう。

同心の女房が「御用だ、御用だっ!」と叫びながら駆けるっていうのは、見たことも聞いたこともありませんが・・・。




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