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脚気衝心


玄米が体にいいということは、昔からよく知られていたことです。我々は、栄養が豊富に含まれる胚芽の部分をわざわざ精米して取り除き、胚乳の部分だけを食べているのですから、これほどもったいない食習慣はないと言えるかもしれません。

その昔江戸時代の歴代将軍の食事は厳しく管理されていたことは想像に難くありませんが、それはあくまで毒物の混入を懸念してのこと。現代でいうところの管理栄養学的な考えはまったく配慮されていなかった。せめてご飯に玄米が使われていたなら、少なくとも将軍は脚気で命を縮ませるということはなかったかもしれません。


現役の医者であり作家でもある篠田達明は、その著書「徳川15代将軍のカルテ」で、江戸時代の将軍の死因に脚気衝心(脚気による心不全)が疑われるものが、15人中3人(10代家治、13代家定、14代家茂)いると表しています。篠田は12代家慶は暑気当たりと記述していますが、これも栄養状態が悪い中で起きた心不全と考えられないこともない。




江戸時代後半、幕府の屋台骨が揺るぎ始めたころの将軍3人というのは、興味深いですね。幕府の権勢立て直しのための心労と言えば体裁は繕うこともできましょうが、これはどう考えても普段の食生活の栄養バランスがお粗末であったから。たんぱく質、ビタミン、ミネラルが足りていなかったからではないか。

せめて主食となるご飯に玄米が使われていれば、ビタミンB1は十分摂れていたでしょうから、脚気を患うこともなかっただろうと思われます。

また、明治維新の後に新政府が富国強兵政策を採り、組織的な軍備の整備に力を入れたのは歴史上の事実ですね。ところがその明治期の軍隊においてすら、兵隊が原因不明の病で稼働率を保つのに苦労したといわれています。これも軍隊の食事は白米が主食であったことが原因と後になってわかったということです。


米を主食としてきた我われ日本人が、その米によって患って来たというのは、なんとも皮肉ではありませんか。


玄米食の大切さを考え直さなければならないとしたものです。







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