「絵中おわら風の盆」と富山県人の県民性
哀愁をおびた胡弓と三味線の音に、「唄われよぉ~、わしゃ囃すぅ~♪」と歌い出す越中おわら節。いよいよ明日9月1日から3日まで、今年も坂の街・富山市八尾町は、おわら風の盆一色に染まります。
越中八尾おわら風の盆は、いまやわが故郷富山県有数の観光資源となったようです。
この三日間でわずか2万人足らずの八尾町に、おわら風の盆を目当てに訪れる観光客は20万人余。八尾の坂の街は人で埋まり、トイレも順番待ちで小用をなかなか足せないありさまとか。
私が高校生のとき、同じクラスに八尾から通学していた友達がいましたが、9月1日に行われる夏休み明けの学力テストは、テスト直前の追い込みがとても出来るような環境ではないので、ハンディを各教科20点もらわないとやっていられないなどと、ぼやいていたことを思い出します。
我が母校では、学力テスト明けの9月中旬に行われる運動会で、最後に全員で越中おわら節を踊るのが恒例でしたが、このときその友人は前方に設けられた壇上に昇り、模範踊りを披露する指南役を3年間努めました。実にあでやかな踊りでしたね。我われはその友人の動きを見ながら踊るわけですが、彼のような手足の動きはとても出来ようもありませんでした。
ところで冒頭にあげた「唄われよぉ~、わしゃ囃すぅ~」の歌い出しの文句。私はこの合いの手の文句にこそ、富山県人の謙虚で慎み深い県民性がよく表れていると思うのです。
「あなたが歌いなさいよ、私は囃し手に回りますから」
数ある民謡のなかでも、こんな合いの手を入れるのは、おわら節だけではないか?
「越中で立山、加賀では白山、駿河の富士山三国一だよ♪」
この文句にしても、お国の立山を自慢しながらも、富士山は日本一だと言っている。
・・・奥ゆかしいですな。
皆さん、坂の街越中八尾にお越しになって、哀愁漂う胡弓と三味線の音に合わせて越中おわら節を踊ってみられてはいかがか?きっと奥ゆかしい富山県人の県民性もお分かりいただけると思うのであります。

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