「遊遊漢字学」が楽しみ♪ PART24 「北」
今年最後の日となった今日は日曜日。何かと慌ただしい大晦日ですが、日経最終面文化欄だけはゆっくり読みたいもの。
ここ3週間ほどお留守になっていた「遊遊漢字学」、今年最後に阿辻先生が取り上げた漢字は「北」でした。
日本漢字検定協会がおこなう「今年の漢字」に堂々選ばれた漢字でもありますから、阿辻先生も見逃すわけにはいきませんよね。
この「北」は、二人の人が背中を向けあっているいる形を示しているってこと、皆さんはご存知でしたか?もともとはその形から「背中」あるいは「背を向ける」ことを意味したのだと阿辻先生は教えてくれています。
それが方角の一角を指すようになったのは、人が太陽の方を向いたとき背中にある方向が「きた」になるからだと。
「北」がもっぱら方角の意味に使われるようになって、本来の意味を持たせる漢字として、「北」の下に肉体を表す(ニクヅキ)「月」をつけた「背」が用いられるようになったのだそうです。
だから、戦いに負けて敗走する時に、東や南に逃げても「敗北」というのは、敵に背中を向けて逃げるという意味合いがあるからというのは、なるほどと納得できますね。
さて、「北」本来の意味に戻って、背中を向け合っている二人とは誰だろうと考えてみるに、これはどうしても今年世界中の耳目を集めた米朝の指導者といういうことになりましょうか。
一方が「リトル・ロケットマン」と罵れば、もう一方は「老いぼれのならず者」と蔑む。
漢字のはじまりは紀元前にまで遡った中国古代の殷・周王朝時代、カメの甲羅や動物の骨を焼いて出現する甲骨文字で吉凶を占ったのが起源と言われています。
それから3000年以上も歳月が流れた大陸と地続きの極東の半島の付け根にある国の動静を巡って、背中合わせのままがんとして相譲らぬ二人の指導者が出現するとは、いかな甲骨文字の占い師でも知る由もなかっただろうと思われます。

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