Spring has come.
今日は2月の最終日。明日から弥生3月となりますね。
一日だけのことなのに、どういうわけか心がウキウキしてくるものです。
Spring has come.
いきなり英語でなんだよと思われるでしょうが、もう少しお付き合いの程を。
英語を習いはじめて一番とまどうのは、動詞の時制。現在・過去・未来を表現する場合、動詞が変化するというもの。しかもそれぞれの時制に完了形があり、頭がややこしくなったというのは、一人私だけではありますまい。
英文法の本に現在完了形の例文として必ず載っていたのが、冒頭に上げた文。訳すと「春到来」。
春がやって来て、すでに今が春であるということを表現するとき、英語では完了形を使うのだと高校の英語の先生は教えてくれたものでした。このとき「have」は完了の助動詞で、持つという意味の動詞ではない。「be」動詞を使って、「Spring is come.」と表現することもあると。
・・・ほんとうに頭が混乱しましたね。(笑!
紅顔の美少年( ← 私のことです・・・笑!)は、すかさず手を挙げて先生に質問したのでした。
「先生、英語は春が来たことを言うのに、たった二つしか表現方法がないのですか?それに比べると日本語は、はるかに表現方法が豊かですよね」
「春到来、春来たりぬ、春は来ぬ、春がやって来たことだ・・・のように、いろんな言い方ができます」と。
若い英語の先生が目を丸くしていたのが思い出されます。
ところでこの「春」と「来」の二文字が並ぶと、どうして心が浮き立つのでしょうか。日本人に受け継がれてきた遺伝子の存在を感じずにはいられませんね。
明治になってはじめて英語の完了形を例文をあげて説明しようとした英文法の先生も、無意識のうちに「summer」でも、「autumn」でも、いわんや「winter」でもなく、「spring」を使ったのに違いありません。
この世の生きとし生けるものすべてが、生命の息吹を己が内から発する季節、春がやって来ました。
