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「夏は来ぬ」


ついこの間までそれ桜が咲いた、やれ散ったなどと言っていたのが、4月も終わりになって、ここ数日の急激な暑さはどうしたことだろう。春を飛び越え夏が慌しくやって来たようにさえ思える陽気です。

昨日夏を思わせる強い日差しの中を車を走らせていたときのことです。農道から市道へ出る交差点で信号待ちをしているとき、交差点脇にある民家の庭先に白い小さな花を枝先に密集させている木が目にとまりました。よく見ようと窓をあけたら、姿は見えないものの「キョキョ、キョキョッ」という大仰な鳥の鳴き声がするではありませんか。

もしかして、これが卯の花で鳴き声の主はホトトギスかもしれない?

帰ってから早速「卯の花」で検索してみましたら、忘れかけていた唱歌が出てきて、なるほどと納得した次第。


卯の花の匂う垣根に
ほととぎす早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす夏は来ぬ


恥を顧みず言いますと、私はホトトギスがどのような姿をした鳥かという知識もありませんでしたし、この時期に咲く白い花が卯の花であることも知りませんでした。それでも「キョキョ、キョキョッ」という鳴き声が、卯の花とホトトギスを結びつけてくれましたね。

・・・「夏は来ぬ」か。卯の花が咲き、ホトトギスが鳴いている。なるほど、夏がやって来たのだなと。


さみだれのそそぐ山田に
早乙女の裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる夏は来ぬ


当地北陸富山では、田んぼはすっかり田起しも終わり水が満々と張られ、田植えを待つばかりとなっています。

朝霧の中の日の出



しかし、昨今では早乙女が裳裾をぬらす風景を見ることは叶いませんね。田植え機が泥を跳ね上げながら、粛々と苗を植えていくばかりです。




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