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「江戸川柳で現代を読む」


1月27日にもご紹介したお奨めの一冊

「江戸川柳で現代を読む」 (小林弘忠著 日本放送出版協会)

より、傑作の江戸川柳を三首ご紹介したいと思います。





困った時はお互いさま、困っている人を見ると手助けしないではいられなかった江戸庶民も、医者に対しては、意外やキビシイ感情を抱いていたということを窺い知ることができます。


「極藪医者(ごくやぶいしゃ)竹の匙(さじ)で盛り」

「にわか医者まず縁者から盛り殺し」

「殺しても見ねばわからぬ匙(さじ)加げん」


当時の庶民にとって一番はなもちのならぬのが、えらくさそうに差し迎えの籠に乗り、大店(おおだな)や旗本屋敷に出入りする町医者。

こんな医者のことを庶民は絶対にお医者さまとは呼ばなかった。ただの一言、『藪!』


それもそうですよね、当時医者に診てもらうと、薬代も含めてあっという間に一両がなくなってしまったそうです。年間の米の消費量が一人約一石(金額にして一両)だそうですから、診てもらいたくても庶民は誰も医者にかかれなかった。


さて時は江戸時代から現代へ戻ります。

私の学生時代のこと、友達に大藪(おおやぶ)という名前の学生がいた。ある講座の教授が授業開始の前に、名簿を見ながら出席を取っていて、

「○○君、○○君、大藪(おおやぶ)君・・・!」

「大藪君!?・・・君は工学部を目指して賢明だったね、これが医学部であったら、改名せにゃならん・・・」


私は、心の中ですかさず、そしてひそかに言ったのでした。

「教授!教壇に立たれるのも結構ですが、高座に立たれても立派に通用しますよ!」


もう40年前のことにもなろうかという古~い、古い「藪」にまつわる話でした。




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