ホタルイカの身投げ
このたびの東北地方太平洋沖および長野県北部を震源とした地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
一日も早く復旧がなされ、復興されますようお祈り申し上げます。
我が身をかえりみず文字通り命をかけて原発の復旧作業に取り組む東京電力と関係会社の皆さん、そして自衛隊の皆さんの懸命のご努力が効を奏し、この危機が安全のうちに収束することを願ってやみません。
人間は進退が行き詰ってにっちもさっちもいかなくなると、断崖絶壁から身を投げて自らの命を絶つということをしたりします。自らの命を絶つのは人間にのみみられることだそうですが、人間以外でも身投げをする動物がいるのを皆さんはご存知だろうか?
今朝ご近所の方からホタルイカをたくさんいただきました。
その人いわく、「昨晩ホタルイカがたくさん身投げしとったから、浜ですくってきた」のだと。
当地富山県は春先のホタルイカ漁で有名です。ホタルイカは普段、水深約200〜600mの深海に生息しているのだそうですが、毎年4月から5月にかけて、夜になると産卵のため海岸近くまで大群となって押し寄せてきます。この時期富山湾に面した各漁港では、ホタルイカ漁で賑わうのですが、漁港で水揚げされたホタルイカを求めなくても簡単にただで手に入れることができます。それが、この身投げするホタルイカを浜で待ち構えてすくい取るという方法。
日中もやもやと生暖かい陽気の晩になると、このホタルイカの身投げがみられることが多いのです。
昨日はまさにそういう日よりでしたから、お隣さんはどんぴしゃで大量集団身投げに遭遇し大収穫。我が家もそのお裾分けに与ったというわけ。
懐中電灯と長い柄のタモ、それにバケツが三種の神器ならぬ三種の道具。ただし絶好の日よりであっても、どういうわけかホタルイカも自殺を思いとどまるのか知りませんが、眠たい目をこすりながら待てど暮らせど、いっこうに身投げがないという日も往々にしてあるのです。そんな時には、膝までズボンを巻くし上げて、タモを肩に担ぎ、もう一方の手にはバケツ・・・という、これほど惨めで滑稽な姿はありません。
それにしても身投げとは、高い所から下へ身を投ずるから身投げでしょう。正しくは、ホタルイカの陸投げじゃないか?(・・・笑!
ただしこのホタルイカの陸投げじゃなかった、身投げ、砂浜だと砂が身に噛んで口当たりが悪いです。
できれば漁港の岸壁あたりから長い柄のタモですくうのがベスト。
ボイル仕立てのホタルイカは身がぷっくり膨れて、アツアツのところを酢みそか辛子みそにつけて食べるのが一番。アツアツのところをほお張ると口のなかで身がはじけてイカの卵巣が広がり、とても美味しいです。
身投げするホタルイカの話題でした。
