備えあれば憂いなしといいますが・・・。
我われ地方に住む者にとって、花の都東京は何といってもあこがれの存在。わが国の政治経済の中心であるのはもちろんのこと、若者の文化発信の中心でもあります。ゆえに多くの人が東京に集まり、集まるがゆえにさらに情報が行き交い、新しいビジネスチャンスが生まれる。
人が集まるということが東京の魅力といえましょう。
しかし、それは諸刃の剣と言えまいか。長所は裏を返せば短所でもあるわけです。
皆さんはこのトピックスをどのようにご覧になりますか?
首都圏震災、避難先に会津の温泉あっせん計画
首都直下地震が起きると最悪で約85万棟が全壊または焼失するといわれれば、いわばある意味このような保険でリスクを回避しておきたいと思うは、人情というもの。「会津赤べこ会」の発想力と着眼力には、ほとほと感心します。
「最長6か月間、食事なしで1か月5万円。年間5000円の保障費を会に払い、1年間災害がなければ、3000円相当の特産品がもらえる」という条件は、買いの一手のように思われます。
しかし、よくよく考えてみれば、これはすべて住居のことしか考えていませんね。生身の人間のことが抜けています。85万棟も全壊するような首都圏直下型地震が発生して、命を失わずに済む人は、よほど幸運としか言いようがないのではないか。
すなわち、住む家が福島県の温泉旅館に担保できていても、そこに住もうとする人間の命まで保障されているわけではないことを熟考すべきではないかと。
首都圏での震災時に一時的な避難先として会津の温泉旅館などをあっせんする「会津よもやの故郷プロジェクト」、皆さんはいかに思われますか?
「備えあれば憂いなし」とつぶやいて胸を撫で下ろすか、「杞憂」という諺に乗るか?
