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時代小説が好きPART178「ふりさけ見れば」(8)


日経連載小説「ふりさけ見れば」は、新しい年が明けての今日元旦の掲載が第511回になります。

日本人なら「ふりさけ見れば」と聞けば、誰しも「春日なる三笠の山に・・・」と口をついて出て来ようというもの。「遣唐使」「阿部仲麻呂」「ふりさけ見れば」は、いわば歴史の3点セット。


なぜ仲麻呂は日本に帰ることができなかったのか?いや、あえて帰ろうとしなかったのか?いよいよその謎が明らかになってまいりました。

唐と対等の外交関係を持とうとする大和朝廷が望んだのは、朝廷の正当性を証明する帝の出自について。膨大な歴史書を貯蔵する唐の君主教殿の蔵書蔵には、それを解き明かす書物があるはず。それを手に入れよ。あまりにも冷酷な用間(スパイ)としての密命が仲麻呂に負わされていたとは。

もう一つ私が注目していたのは、かの有名な「ふりさけ見れば」の歌は、いつ詠まれたものかということ。著者の安倍龍太郎は、過酷な用間としての使命を達成し帰国の途に就いた船上で詠んだと記述しています。遣唐使の任を命じられた時、故郷奈良の三笠山に詣でた折に見た月を思い出して詠じたのだと。

本日の連載では、船が遭難座礁し大陸(現在のベトナムの地)に戻ってしまった以降の仲麻呂が、玄宗皇帝寵愛の楊貴妃の実姉楊玉鈴と再会した場面が記述されています。挿絵には中国風の窓から、山陰にかかる三日月が描かれています。

(まさか、これは・・・)

仲麻呂が向かい入れられた屋敷は、内装がすべて日本風に改装されているではないか。夜半目を覚ました仲麻呂が窓から目にしたものは・・・。

瑠璃(ガラス)がはめ込まれた窓から見える築山は、なんと奈良の若草山や三笠山に模したものになっているではないか。

「仲麻呂は胸を打たれ、呆然と立ち尽くした。これも玉鈴の心尽くしに違いない。そのことへの感謝と、ふるさとには二度と戻れないという現実がないまぜになり、喜びとも悲しみともつかない激情がのど元まで突き上げてきた」


用間にまで身をやつした仲麻呂の喜びとも悲しみともつかないこのときの激情が、「ふりさけ見れば」の歌にみごと詠みこまれているからこそ、後々まで名歌として語り継がれて来たに違いありません。


さて、結末はいかに。安倍龍太郎の筆が待たれます。




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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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時代小説が好きPART178「ふりさけ見れば」(7)


日経連載小説「ふりさけ見れば」、毎朝新聞が届くのを楽しみにしています。今朝も新聞受けを2回覗きに行って、2回目に今日は新聞の休刊日であることに気づき、いたく失望しました。

日本人なら「ふりさけ見れば」と聞けば、誰しも「春日なる三笠の山に・・・」と口をついて出て来ようというもの。「遣唐使」「阿部仲麻呂」「ふりさけ見れば」は、いわば歴史の3点セット。


なぜ仲麻呂は日本に帰ることができなかったのか?いや、あえて帰ろうとしなかったのか?いよいよその謎が解き明かされようとしています。

それが仲麻呂は秘かに用間(スパイ)の任務を帯びていたからとは、衝撃意外の何ものでもありません。唐と対等の外交関係を持とうとする大和朝廷が望むのは、朝廷の正当性を証明する帝の出自について。膨大な歴史書を貯蔵する唐の君主教殿の蔵書蔵には、それを解き明かす書物があるはず。それを手に入れよ。

唐の官吏として皇帝に仕え、ようやく君主教殿に自由に出入りできるまでの地位についた仲麻呂は、『儀略』の中にその記述を発見したのであった。しかし意外にも皇帝・玄宗は、仲麻呂にその『儀略』を渡し、日本への帰国を許したのであった。


帰国の途に就いた仲麻呂一行には、もう一つ秘かな仕事が待っていた。鑑真和上の密航を計ることである。それを阻まんと遣唐使船の後を追って来た唐の役人の船を仲麻呂の巧みな機転によって欺き、途中胡逗洲の入り江で待ち受ける鑑真一行を乗せることに成功した4隻の遣唐使船は、琉球列島の小島にたどり着くことが出来た。ここで風と潮の状況を読み、九州目指して再度船出する手はずを整えていたのであったが。

ところが仲麻呂より一つ先の遣唐使船で来唐していて、今回帰国が叶った留学僧・弁正の病が篤くなり、死の床についてしまった。弁償こそが仲麻呂より先に密命を帯びていた用間であったのだ。

最後の望みとして『儀略』のその記述を見せてくれと言う弁正。後宮ばかりでなく政までにも口をはさめるまでの地位と権力を持った宦官・高力士に取り入るために自ら虚勢までした弁正もまた、『儀略』にまでたどり着いていたのだ。

「・・・ち、違う。これはわしが見た『儀略』ではない」

その時2本の矢が弁正の背に突き刺さり、弁正は絶命してしまう。

いったい誰が弁正を殺さなければならないというのか。唐の息のかかった手先が船に乗っていたというのか。それよりも何よりも、玄宗皇帝は仲麻呂にあえて偽の『儀略』を渡したというのか。



歴史書によれば、このとき帰国の途に就いた遣唐使船は4隻。うち3隻は日本にたどりつくことが出来たが、仲麻呂の乗った船は遠く越国(ベトナム)に流され座礁したと伝えています。

・・・そうか。もしかしたら、仲麻呂は3隻の船を黒潮に乗せて日本に返し、自ら乗る船は逆風の東の風に乗せて、大陸に戻ろうとしたのではないか!?


果たして安倍龍太郎はどのようにその結末を描くのでしょうか。・・・明日の朝刊が待たれます。


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小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

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全国アホ・バカ分布考


「所変われば品変わる」といいます。育った環境が違うのですから、人も変わるし、人のしゃべることば遣いも違ってくるのは当然ですね。

書棚より引っ張り出してきて、読み直しています。


全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫) [ 松本 修 ]






アホとバカの境界線は何処にあるのか・・・皆さんも知りたいと思いませんか?

関東では、バカ。関西ではアホ。じゃぁ~、名古屋じゃなんて言うの?

私は学生時代名古屋に4年住んでおりましたので、必死に思い出そうとしているのですが、どういったかな?バカとも言うし、アホとも言ったような・・・タワケ!とも言いませんでした?

「タワケたこと申すでにゃ~わ!」

「申す」と謙譲語を使ったりするのですよね。特にご年配の方などは。


東京なら、「バカなこと言うもんじゃない!」
大阪なら「あんさん、アホかいな!」

だいたいこんな感じでしょうか?


ちなみに、当地富山では、

「なにダラんこというとんがい!」




・・・・ほんとうに『ダラなこと』言っております。

しかし、ご紹介した本は、大変マジメで、この国の言語について、地域の風土・文化にまで、深く掘り下げて書かれております。

ご一読を。



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「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

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ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

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日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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国立国会図書館にもしっかり蔵書されている


世界で一冊しか売れていなかった本が、インターネットで紹介されたら4日間で1500冊もの注文が殺到したという、今日なかなかものが売れない時代に、まったく羨ましい話ですね。

どんな本かというと、なんと2324万9425ケタの数字が719ページにびっしり書かれているだけの本というのですが、数字の並びには必然性があるというもの、これははたして本といえるのでしょうか?


ウエブトピックスより、
『2017年最大の素数』本にしたら注文殺到 4日間で1500冊「まさかこんなに売れるとは…」

どんな必然性かと思えば、2324万9425桁になる素数だとか。う~む、素数って、確か高校の数学の時間に習っ記憶がかろうじて残っています。1と自分自身以外に約数をもたない自然数でしたかね。「1 2 3 5 7 11 13 17 19 23・・・」と続いていくのですが、私の頭ではせいぜい2桁まででしょうかね。それが2324万9425桁の数字の素数だなんて、これはコンピューターの力を借りて見つけ出したのでしょう。

その2324万9425桁の数字をすべて表記しようとしたら、719ページ要したということなんですね。


以前に、「亜書」なるこれも本と言えるのか言えないのか定かではないような本の話題をご紹介したことがありました。こちらの方は数字ではなくギリシャ文字やローマ字が無秩序に並べられただけの本でしたが、立派な本の範ちゅうに入るのだとか。

ところで、わが国には国立国会図書館法という法律が定められていて、わが国で出版された本はすべからく国立国会図書館に蔵書しておかなければならないということご存知でしたか?


「亜書」も国立国会図書館に蔵書されているそうですから、やはり本ということになる。

「2017年最大の素数」なる本も、並んでいる数字には意味があるのですから、立派な本といえましょう。きっと国立国会図書館に蔵書されるに違いありません。


・・・でも、「亜書」もそうですが「2017年最大の素数」にしても、私にとっては「読む」というよりは「見る」ということになりますから、「本」とは言えないような気がします。

「本」というなら、やはり意味のある文章が文字で表記されたものじゃなくちゃ。そういう意味でいうならば、私が書いたエッセイ『「酒」と「そば」と』は立派な本ということになりますかね。国立国会図書館にもしっかり蔵書されていると思うと、鼻高々です。



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「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

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本所おけら長屋 十九


本屋の店頭で何気に手にした第一巻。以降毎回次の巻が発売されるのを楽しみに待ち続けること19回。畠山健二が描く、ハチャメチャな長屋の住人が繰り広げる泣けて笑えるドタバタ話。「本所おけら長屋」は、これが第十九巻目となりました。




本所おけら長屋に住む米屋の奉公人万造と酒屋に奉公する松吉といえば、本所界隈ではその名を知らぬ人はいない。「万松」と聞いただけで、「ああ、ちょいと用事を思い出した。帰(け~)らしてもらいます」と尻込みしてしまう。そのうえ左官職人の八五郎が嚙もうものなら、まず尋常な結末など望むのは無理としたもの。

しかし、同じ長屋に住む素浪人島田鉄斎と一人暮らしの後家お染が話に加わると、なぜか事は丸く収まってめでたしめでたし。笑えて、楽しくて、ばかばかしいけど、つい涙がほろり。

「それがおけら長屋流の手立てってもんでぇ~」

つい万蔵が乗り移ったかのように、声を張り上げてしまいそうです。


お節介と人情で名高い江戸は本所のおけら長屋。叶うものなら、私もそんな長屋に住んでみたいものです。



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「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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